日本國見在書目録に就いて
狩野直喜

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【テキスト中に現れる記号について】

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   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「木+確のつくり」、第4水準2−15−25]

 [#…]:返り点
 (例)爲[#二]灰燼[#一]
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 古典の研究で尤大切なものは、或時代に編纂された書籍目録である。學者が千歳の後に生れて、古書の佚存を知り、或程度まで學術の源委と、時代の學風とを窺ふことの出來るのは、目録に負ふ所が多い。殊に支那の如き秦皇の焚書によつて經籍殘缺したと云ふ事實があり、それから後世に至るまで書籍の散佚が多いと同時に古書の僞作も亦盛んに行はるゝ所には、本文研究の上に於て、極めて緊要なものである。是れ西漢の世、已に劉向父子などの目録學に從事した所以であつて清儒王鳴盛が目録の學。學中第一緊要事。必從此問塗。方能得其門而入。と云ひ([#ここから割り注]十七史商※[#「木+確のつくり」、第4水準2−15−25]卷一[#ここで割り注終わり])又我國にて松崎慊堂が門人に先づ漢書藝文志を讀ませた
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