とだ。
――それなら、この近くを通りかかる船を見つけて、助けてもらったらどうだろう――これならば、運がよければ、できることだ。
この島は、軍艦や商船が通る航路には、あたっていない。しかし、いつ、どんな船が、こないともかぎらない。その通る船を、見のがしてしまったらたいへんだ。それこそ、いつまでもいつまでも、この無人島にとじこめられてはならない。そこで、通る船を見つけるために、見はり番が立つ砂山をつくることにした。
砂山などをつくらずに、高いやぐらを組みたてればいいことは、わかっている。しかしそれには、長い太い木材が、少くも三本はほしい。だが、その木材がないのだ。
島は、いちばん高いところでも、海面上、四メートルぐらいである。あとは二メートルぐらいで、うっかりすると、波をかぶりそうなくらいひくい島であるから、遠くが見えない。それで、島じゅうで、いちばん高い、西の海岸の草地へ砂を運んで、砂山をつくり、見はらしがきくようにするのである。これは、われら十六人が、島からぬけ出して、日本に帰ることが、できるか、できないかの大問題であるから、全員は、熱心に砂山つくりの大工事にかかった。
砂山
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