ことはやりぬきます。生きていれば、いつかきっと、この無人島から助けられるのだと、わかい人たちが気を落さないように、どんなつらい、苦しいことがあっても、将来を楽しみに、毎日気もちよくくらすように、私が先にたって、うでとからだのつづくかぎり、やるつもりです」
かれのいうことは、真実である。かれのふだんのおこないをよく知っている私は、まったく心を動かされた。
私は、いまさらながら、三人のたのもしい強いことばに、心から感謝した。
こうして、無人島生活の心の土台がきずかれて、進むべき道がきまったのだ。四人が立ちあがった時には、東の水平線が明かるくなって、海鳥が鳴きかわしつつ、島の上を飛びはじめていた。
私は、このときから、どんなことがあっても、おこらないこと、そして、しかったり、こごとをいったりしないことにきめた。みんなが、いつでも気もちよくしているためには、こごとは、じゃまになると思ったからである。
火をつくる
この日の午後から、蒸溜水《じょうりゅうすい》の製造をやめた。それは、蒸溜水製造には、びっくりするほどたくさんにたきぎがいるからである。前にもいったように、たきぎは、
前へ
次へ
全212ページ中86ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
須川 邦彦 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング