島にむらがっているこの鳥の大群も、上陸した船の人の太いぼうで、じきにうちとられてしまうのだ。
ともかくも、龍睡丸は大漁である。もうこれで、目的とする島々の調査もすんだ。成績は優だ。ミッドウェー島で飲料水をつみこんだら、それから先は、まっすぐに大洋を走って、日本へ帰るのだ。
龍睡丸のみんなは、勇みたってきた。
パール・エンド・ハーミーズ礁《しょう》
リシャンスキー島をあとに、ミッドウェー島に向けて出発したあくる日、すなわち、十八日の正午に、船の位置をはかってみると、予定の航路より、二十カイリも北の方に流されていることがわかった。このへんの潮は、北へ北へと流れている。その潮流が、思ったよりも強く、船がこんなに流されたのだ。
ミッドウェー島に行くのには、パール・エンド・ハーミーズ礁という、いくつかの、小島と暗礁《あんしょう》のむれの、南の方を航海しなければならない。この暗礁にぶつかったら、たいへんなので、船がもっと北の方に流されても、パール・エンド・ハーミーズ礁の、いちばん南の方へ出っぱっている暗礁を十カイリはなれて通ることになるように、船の針路をきめた。
龍睡丸《りゅう
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