「はやく、島の連中に、このよろこびを知らせてやりましょう」
 と、あいずをする気もちは、よくわかる。かれらにも、ものの味などは、わからないのだろう。こうなっては、じっとしてご飯をもぐもぐかんではいられない。私は、立ちあがった。
「長谷川君、ありがとう。一こくもはやく、島の連中をよろこばせてやりたい。ぼくはもう帰る。ご飯は、とちゅうの弁当にもらって行くよ」
「たいした風ではないが、少し波もある。夜はむりだよ、とまっていけよ」
 しんせつにいってくれるが、あした、的矢丸を本部島の近くへよせてもらうことをやくそくして、私たち五人は、夕方五時すぎに、ふたたび伝馬船に乗って、的矢丸をはなれた。
 そして、本部島の方角にけんとうをつけて、元気よく漕いだ。

   よろこびの朝

 島では日がくれてから、かがり火を、さかんにもやした。夜どおし交代で、かがり火当番をしてもやしつづけた。そのころやっと、みんなが、いろいろとうわさをはじめた。
「どこの国の船だったろう」
「助けてくれるかしら」
「遠い外国へ行く船だったかもしれない」
 青年たちは、眠られぬらしい。夜がふけても、かがり火のまわりに集まっ
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