ことを、少しずつ研究していくうちに、いうにいわれぬ、おもしろさがわいてくるのであった。
そして、漁業長の説明によって、実物教育と、研究の指導を受けて、たいへんな勉強になった。漁業長と、その助手の小笠原《おがさわら》老人は、この美しい珊瑚礁の海いったいを、われらの標本室《ひょうほんしつ》といっていた。この二人は、太平洋を、じぶんのものと思っているらしい。少なくとも、本部島や宝島付近は、じぶんのものときめていた。
ここでつった魚は、イソマグロ、カツオ、カマス、シイラ、赤まつ鯛《だい》、白鯛、ヒラカツオ、カメアジなど、多くの種類で、ときどきは、長さ二メートル、太さ人間の足ほどもある海蛇や、尾のなかほどに毒針のある、アカエイも、つり針にかかった。ふかもたくさんいたが、ふかはつらなかった。
浜べには、貝が砂利《じゃり》のようにうちあげられていた。名も知らぬ幾百種類の貝は、大博物館の標本室いじょうである。そして貝類も食用にした。ウニ、タカセ貝、チョウ貝などをよくたべた。
島の波うちぎわには、白い珊瑚がくだけてできた、雪のような砂が、ぎらぎらとてりつける日光に、白銀のようにかがやいていた。
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