っと西にまわって、夕日が、島にまっ赤なカーテンをおろすと、海もまっ赤になる。やがて、空も島も海も、夕やみにつつまれて、星かげが海にうつりはじめると、今までたくさんおよいでいた魚は、みな、どこかへ行ってしまう。龍宮城の花園も、トルコ玉の青いうろこをじまんした小魚のすがたも見えなくなって、海藻の林の中に生えている、ウミエラ、ウミシャボテンが光ってくると、海の中に、何千、何万という、蛍《ほたる》のような光が、上下左右に動きだす。空の星がうつっているのか。いや、そうではない、夜光虫の群である。
この光の間を、光る魚が、ぴかぴかした着物をじまんするようにおよぎまわる。これもまた、どんなに美しいながめであるか、口ではいいようもない。しかもこの、うつむいてのぞいて見る、光りかがやく海中の夜光虫は、あおいで見あげる、空気の世界の、星よりも数が多いのだ。
われわれは、魚つり当番のとき、伝馬船を漕ぎ出しては、この水の世界をのぞいた。そして、龍宮城の花園の美しさや、魚類の美しい色、おもしろい習性に、かぎりない喜びをおぼえた。見れば見るほど、考えれば考えるはど、ふしぎに思われるものが多い。このふしぎに思う
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