「もう見えそうなものだ」
 などと、めめしいことはだれもいわない。きっと島が見つかるような顔をして、みんなへいきでいる。なんというたのもしい人たちだろう。私は、みんなをなぐさめるつもりでいった。
「おそくなったら、今夜は見つけた島へとまって、明日《あした》帰ろう」
 すると漁業長が、
「まだ、島は見えないのですから、夜通し漕がなければならないかも知れません」
 水夫の一人が、
「明日の朝までには、島は見えるでしょう」
 この男たちは、今夜一晩中、西へ漕ぐつもりらしい。まったくの海の男だ。しかし、この大洋のまんなかで、日がくれてしまったらたいへんだ。新しい島を見つけるどころか、われらの島へ帰ることもできなくなるだろう。
 だが、日がくれれば星が出る。北極星《ほっきょくせい》は、真北にあるのだから、北極星を見て、方向をたしかめることができるけれども。
 私は、立ちあがって、ぐるりと見まわした。やはり、まるい水平線ばかりで、島らしいものの、かげもない。
 なおも漕ぎつづけて、とうとう午後三時頃になった。
「見えましたっ」
 とてつもない大声で、会員の川口がどなった。
 なるほど、指さす水
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