めざす島は、ひくい小さな砂の島だ。三キロメートルもはなれたら、見えはしない。少し方角がそれたら、島はもう見つかるまい。広い広い水の世界から、細い針でついたほどの小さな島を、さがし出そうとするのだ。らんぼうだと思えるだろう。じっさい、こういう航海は、ただ考える力と胆力にたよる、いちばんむずかしい航海術なのだ。しかし、海の上で経験をつんだ、きもったまの太い日本海員は、こういう探検に出かけるとき、どんなことがあっても、きっと島をさがし出す、という強い信念をもって出発するのだ。
われらは、西だと思う方へ、海流にさからって櫓を漕いだ。二時間も漕いだ。龍睡丸《りゅうすいまる》が難破した岩のところを通りこして、ずんずん進んだ。それから先ははてもない、ただ水と空。伝馬船は、強いむかい潮を正面から受けて、およぐように進んで行った。だが、島はさっばり見えない。
龍睡丸が難破した岩から、三時間ぐらいも漕いだ。太陽は頭の上にある。正午だ。それからまた二時間。午後二時ごろだ、しかし、まだ島は見えない。
みんな前の方の水平線を見つめている。からだじゅうの神経が、目ばかりに集まったように、いっしんに見ている
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