ころもちよ喃。御老体どうぞ御先に。では、京弥、菊路、そろそろ参ろうかい」
事もなげに、そうして悠々と引上げていった退屈男のその足どりの爽やかさ! ――救い出された女共から知らせをうけて駈けつけたと見えて、屋敷の門の前に蝟集《いしゅう》していた農民共が、見迎え見送りながら、一斉に歓呼《かんこ》の声を浴びせかけました。
「殿様、有難うござります」
「お蔭で領民共一統生き返りました」
「有難うござります。有難うござります」
夜空に高く星も喜ばしそうにまたたいた。
底本:「旗本退屈男」春陽文庫、春陽堂書店
1982(昭和57)年7月20日新装第1刷発行
※混在する「不埒」と「不埓」は、底本通りとした。
入力:tatsuki
校正:皆森もなみ
2001年10月18日公開
青空文庫作成ファイル:
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