けておいてあげましょう。――おやじ、千百三十両は鈴文さんに成り代わっておいらがもらってやるぜ。利子をどうの、両替賃をいくらつけろのと、はしたないことをいうんじゃねえ。元金だけでたくさんだからな。それだけありゃ、鈴文の店ののれんもまた染め直しができるというもんだ。伝六、おめえひとっ走りいって、あのしょぼしょぼおやじの顔のしわをのばしてきてやんな!」
「心得たり! さあ、これでもちがつけるんだ。とみにうれしくなりやがったね。一句飛び出しやがった。――もちもちと心せわしき年の暮れ、とはどうでござんす」
風がつめたい……。
底本:「右門捕物帖(四)」春陽文庫、春陽堂書店
1982(昭和57)年9月15日新装第1刷発行
入力:tatsuki
校正:M.A Hasegawa
2000年3月3日公開
2005年9月24日修正
青空文庫作成ファイル:
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