よりも少々太めで、きりきり白布で巻いてござったが、変わったところといえばそのくらいじゃ」
「それこそまさしくお槍! 六尺柄の肩棒とは、ちょうどあいあいの長さじゃ、容易ならぬことになり申したぞ。番のおかた! 上役のおかたはおりませぬか! おはようこれへお出会いめされいッ」
 声にあわただしく姿を見せたのは、番頭《ばんがしら》次席あたりとおぼしき関所役人です。
「容易ならぬくせもの、まんまと当関所を破ってござる。お力借りたい、火急にお手配くだされたい」
「貴殿は?」
「江戸八丁堀、近藤右門と申す者じゃ」
「なに、ご貴殿がのう。ご姓名は承っておらぬでもないが、関所のおきて、なんぞお手あかし拝見つかまつりたい」
「取り急いでまいったゆえ、ご奉行さまお手判は所持しておらぬが、これこそなによりの手あかし、ご覧召されい」
 取り出したのは、きのう朝、お濠方《ほりかた》畑野|蔵人《くらんど》から火急の招致をうけたその招き状です。
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「城中、内濠にていぶかしき変事|出来《しゅったい》、即刻おん越し待ちあげ候《そうろう》。
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