ってよかりそうなのに、あんな葬式道具の受取を二度の用に使ったんで、こんなけちな野郎はどやつだろうと糸をたぐったその先へ、ピンときたのがけち九郎兵衛の世間のうわさ。しかも、受取書が葬式道具じゃねえか。まだそれでもわからねえのかい」
「でも、それにしちゃ、なんだってまたそんなけち九郎兵衛が、五百両もの大金積んで、あの比丘尼小町にはめられたんでしょうね」
「もううるせえや! 恋とご幣かつぎは、昔から思案のほかと相場が決まっているじゃねえか」
ずばりというと、思案のほかのその恋ゆえに罪とが犯した比丘尼小町をあわれむもののように、重たげな足を運ばせました。
底本:「右門捕物帖(二)」春陽文庫、春陽堂書店
1982(昭和57)年9月15日新装第1刷発行
※誤植は、『右門捕物帖 第二巻』新潮文庫と対照して、訂正した。ただし、底本、新潮文庫版ともに「あっし」を一箇所「あつし」としているが、「あっし」とした。
入力:tatsuki
校正:M.A Hasegawa
2000年4月22日公開
2005年9月20日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(h
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