右門捕物帖
足のある幽霊
佐々木味津三
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)捕物《とりもの》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)物見|遊山《ゆさん》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#疑問符感嘆符、1−8−77]
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1
――今回は第十三番てがらです。
それがまた妙なもので、あとを引くと申しますのか、それともこういうのがまえの世からの約束ごととでも申しますのか、この十三番てがらにおいて、ひきつづき、またまたあのあばたの敬四郎がおちょっかいを出して、がらにもなく右門とさや当てをすることになりましたから、まことに捕物《とりもの》名人としては、こうるさい同僚をかたき役に持ったというべきですが、事の端を発しましたのは、二月もずっと押しつまって、二十八日の朝でした。
しばしば申しますとおり、二月は二月であっても旧暦の二月なんだから、もう少しはぽかぽかしてもいっこうに不思議はないはずですが、それにしてもちょっと狂い陽気で
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