右門捕物帖
村正騒動
佐々木味津三
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)捕物《とりもの》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)右門|捕物《とりもの》中の
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#感嘆符疑問符、1−8−78]
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1
――今回はいよいよ第七番てがらです。
由来、七の数は、七化け、七不思議、七たたりなどと称して、あまり気味のよくないほうに縁が多いようですが、しかし右門のこの七番てがらばかりは、いたって小気味のよい捕物《とりもの》美談ともいうべきもので、しかも事の勃発《ぼっぱつ》いたしましたのは、あの古井戸事件がめでたく落着してからまもなくの、といっても十日ほどたったちょうどお盆の十六日のことでした。
下世話にも、この日は地獄のかまのふたのあく日だなぞと申しますが、お番所のほうでも平生おえんまさまの出店みたいな仕事に従事しているためにか、この十六日ばかりは少数の勤番当直をのぞいては、いずれも十手取りなわをす
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