の真実な気持を味わったからって、その道まで変えるわけにはいかないがね。」
 次郎は感激と失望の旋風《せんぷう》の中に、やっと身をささえているだけだった。あふれて来る涙が膝の上につっぱった腕をすべって、まだらに縁板をぬらした。
「それはそうと――」
 と、朝倉先生はわざと次郎から眼をそらしながら、
「学校の様子はどうかね。血書はやはり出したのか。」
「ええ……出しました。」
「君自身で?」
「いいえ、総務二人に新賀と梅本とが代表になったんです。」
「むろん校長先生に出したんだろうね。」
「ええ。しかし、もう県庁でも見ているんでしょう。校長先生が県庁にそれをもって行かれたそうですから。」
「そうか。」
 と、朝倉先生はしばらく考えこんだ。それから、伸びあがるようにして、生垣ごしに門の方を見、何度も首をふっていたが、
「そうか。じゃあ君はきょうここに来るんじゃなかったね。今度のことがすっかり片づくまでは、これからも君は来ない方がいいよ。君ばかりじゃない、新賀や梅本やそのほかの連中も同じだ。君のお父さんにも、当分お出で下さらんように言っておいてくれたまえ。」
「どうしてです。」
 次郎は、まだ
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