川に飛びこんだ。
「次郎といっしょに水泳をやるのは、これで三度目だね。」
「ええ。」
 次郎はすべての過去を払いのけるように、水の中をあばれまわった。俊亮は、首から下をしずかに水にひたして、それを見まもっていた。
 水を出ると、俊亮が言った。
「きょうはもう一度、鶏をつぶそう。誰か呼びたい友達はないかね。」
「新賀と梅本です。今日は、默っていても、きっと学校のかえりに来ると思います。」
 次郎はしんからうれしそうに答えた。
「大巻のうちにも、みんなで来て下さるように、そう言っとくといい。徹太郎叔父さんと道江さんには是非ってね。二人とも、おまえのことは誰よりも気にかけていたようだから。」
 俊亮はそう言って歩き出したが、あとについて行く次郎の心には何かまた暗いかげがさしていた。道江の名は、もうどんな場合にも、彼の耳に、軽い風のような快いひびきをもつものではなかったのである。

     *

 次郎の生活記録の第四部をここで終る。考えてみると、この記録は、次郎の生活の中の、わずかに二十日にも足りない期間の記録でしかなかった。その点からいって、それに費《ついや》された紙数は、これまでの記録
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