きかたが問題だよ。それについて考えてみたかね。」
 次郎は面くらった。まさか父はストライキをやれというのではあるまい。だとすると、学校の言いなりになって、おとなしく引きさがるよりほかに仕方がないではないか。――
 次郎が考えこんでいると、俊亮は、だしぬけに、まるで次郎の問題とは無関係なようなことを言い出した。
「おまえがまだ七つ八つの子供のころに、近在のならず者がよくうちにやって来て、酒をのんだりしていたことがあるが、それを覚えているかね。」
 次郎は、「指無しの権《ごん》」とか「饅頭虎《まんじうとら》」とか綽名されていたならず者共が、酒をのんでけんかを始めたのを、父が仲にはいって取りしずめた時の光景を、今だにはっきり覚えている。で、そのことを言うと、俊亮は、苦笑しながら、
「そうそう、そんなこともあったね。ところで、ああいう無茶な連中でも、やはり人間は人間だったんだ。こちらの出方ひとつでは、良心というか何というか、とにかく人間らしい正直さを見せたもんだよ。世の中に、腹の底からの悪人というものは先ずないと思っていいね。」
 次郎は、最初、父が自分をならず者あつかいにしようとしているので
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