のさわがしさの中に、ひとりで淋しさを味わっていた。
 生徒たちの中には、いつの間に用意したのか、小旗などをもっているものもあった。彼らは、もうさっきからそれをふりまわして、兵隊でも送る時のようにはしゃいでいた。それが彼を一層さびしくさせた。彼は、自分が小旗を用意しなかったことを悔《くや》む気になど少しもなれなかった。しんみりと、落ちついて、ふかく物を考えながら先生を見送りたい。彼はそんな気持で一ぱいだった。
 きっかり三時。あと五分。先生ももう歩廊に出られたにちがいない。そう思って彼は上りの歩廊に眼を走らせた。しかし、そこは彼の位置からはかなり遠かった。ただ手荷物をさげた沢山の人がこみあっているのが見えるだけだった。
 まもなく列車がすべりこんだ。上りの歩廊は、その列車のかげにかくれて、もうまるで見えない。機関車が威圧《いあつ》するようにこちらをにらんで、大きな息をはいている。
 彼は、その機関車に眼をすえているうちに、ふと、もうこのまま先生と視線をあわす機会がないのではないか、という気がした。むろん先生は、車窓から顔を出して生徒たちにあいさつされるにちがいない。だから、自分の方から先
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