の上に浮いていた。稲田ははろばろとけぶり、土手の松並木はくろぐろとしずまりかえっている。
それからの話題はまったくさまざまだった。むろん、みんなが一かたまりになって話すというのではなかった。あるいは三人、あるいは五人と、それぞれにちがった話題をとらえて議論もし、冗談も言いあった。そして、彼らの複雑な感情が、あるところでは興奮に、あるところでは高笑いに、またあるところでは沈默に、彼らをさそいこむのだった。しかし、朝倉先生夫妻や俊亮が何か言い出すと、どのかたまりも、自分たちの話をやめて、その方に耳を傾けるといったふうであった。
そうした雑談の中で、かなり永い間みんなの注意をひきつけたのは、恭一の高校生活の話だった。彼はそれまで一度も発言しなかったという理由で、上級の生徒たちにわざわざその話を求められたのだった。大沢もそれにはおりおり口をはさんだ。しかし、主として話したのは恭一だった。学寮における自治生活の話がその大部分で、自主的に、いろいろの面から共同生活を建設して行く楽しみを語った。そして最後に彼はこんなことを言った。
「そりゃあ中には学生の特権だなんていって、どうかと思うようなこと
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