ったようになっており、一つきりの電燈がかげを作って、みんなの横顔をてらしはじめた。そのうすぐらい光の中を、汁をすする音が入りみだれて、若い人たちの食慾の旺盛さを物語った。
鶏汁、――それも、汁というよりは煮しめといった方が適当なほど、ふんだんに肉をたたきこんだ鶏汁、それをたらふく吸う機会は、彼らのうちの最も富裕なものにも、そうたびたびめぐまれるものではない。暑い盛りに熱い汁をふるまった俊亮の智恵の足りなさを、彼らのうちに万一にも笑ったものがあったとすれば、それはおそらく、その生徒が、慢性の胃腸病にでも取りつかれていて、とうに若さを失った証拠でしかなかったであろう。
暮色がふかまり、電燈の光がそれに比例して次第に明るく感じられ出したころには、彼らの腹も相当ふくらんで来た。腹がふくらんで来ると、もうたべることばかりには専念していなかった。あちらこちらに雑談の花が咲き、警句がとび、笑声が湧いた。一時間まえに、次郎の思いつきで、裏手の廂に梯子をかけ、三十人もの生徒たちが、足音をしのばせてこの二階にはいりこんだ時の光景や、そのまえに、朝倉先生の裸姿を橋の下に見つけて、大あわてで水にもぐりこん
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