ゃあ、君が不賛成をとなえる理由はないよ。」
「僕、しかし、あんまり突飛《とっぴ》だと思います。」
「ちっとも突飛じゃあない。これほどあたりまえのことはないよ。」
「でも、みんなに笑われます。」
「君は君自身のお父さんだということにこだわっているからいけない。第三者として考えてみれば何でもないよ。新賀や梅本はきっと喜ぶだろうと思うね。……二人とも君のお父さんを知っているんだろう。」
「ええ、知ってはいます。」
次郎は、気乗りのしない返事をしながら、これまでに二人が何度も父にあい、そのたびごとにいい印象をうけたらしく、次郎に対してしばしば彼らの羨望の気持をもらしたことを思いおこしていた。
「とにかく私にまかしておくさ。間もなくお父さんも見えるだろう。」
「今日、父が来るんですか。」
「来ていただくようにお約束がしてあるんだ。」
ちょうど廊下に足音がきこえたが、それは奥さんが帰って来たのだった。次郎を見ると、
「あら、いらっしゃい。おひとり? お父さんはどうなすって? ごいっしょではありませんでしたの?」
「僕、学校のかえりなんです。」
「あら、そう。」
と、奥さんは朝倉先生の方を向い
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