。
「なぜ有害無益だ。」
「定見のない、無責任な群集は、ただ興奮するだけだ。」
「何? 定見のない無責任な群集? 君は全校生徒を侮辱する気か。」
「侮辱する気はない。事実そうにちがいないから、そう言ったまでだ。」
「まだ集まってもみないで、どうしてそんな断定が下せるんだ。」
「それは諸君自身のこれまでの態度が証明している。選ばれた委員だけが集まってさえ理性を失いがちなのに、生徒大会が冷静でありうると思うのか。」
これには満場騒然となった。すると次郎は、にたりと冷たい微笑をもらし、みんなを見まわしたあと、
「そうれ、すぐそのとおりになるんではないか。」
それから急に顔をひきしめ、少し沈んだ声で言った。
「現在僕たちに残された道は、朝倉先生の教え子らしい態度と方法で、先生をお見おくりすることだけなんだ。そりゃあ、僕だって、諸君と同じように、興奮したくもなる。……しかし興奮してさわぎを大きくするだけ、僕たちは僕たちの敗北を大きくすることになるんだ。今はただ先生をきずつけない方法を考えることが、僕たちにとって一番大事なことではないかね。」
次郎の声は、その時いくぶんふるえており、眼に涙が
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