あっていた。
 少しおくれて、次郎が左右から二人の生徒に扶《たす》けられるようにして出て来るのが、俊亮の眼にとまった。俊亮は席についたまま顔だけを窓の方にねじむけていたが、校門がちょうどその窓から見とおしになっていたので、それが偶然よく見えたのである。彼も、さすがにはっとしたように、椅子から立ち上って窓ぎわに行った。そして、腕組をして三人の様子を見まもりながら、何度も首をかしげた。

    八 水泳

「もうこうなれば、朝倉先生の辞職は一日も早く発表される方がいいと思うよ。」
 次郎は、まだ興奮からさめきらない眼で、じっと空を見つめながら言った。
 一心橋から二丁ほど北に行ったところに、とくべつ大きい黒松が根をはっており、その根の一部をそぎおとして、流れの方に斜めに道がついているが、そこは馬の水飼場《みずかいば》になっている。次郎たちは、その水飼場のおり口の熊笹の上に仰向けにねころんで、何か思い出しては、ぽつりぽつりと口をききあっていた。やはり次郎がまん中で、新賀が右から、梅本が左から、たえず次郎の顔をのぞくようにしている。
「そうだ。そうなると、やつらのストライキの口実もなくなるん
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