、課長さんのお言葉は間違いなくせがれに伝えるつもりではいますが。」
「お伝え下さるだけでなく、あなたから説得していただくというわけには参りませんか。」
「ご希望であれば説得もいたしましょう。しかし、それには限度があります。せがれの良心を眠らせるような説得は私には出来かねますので。」
「すると、あなた自身、血書を撤回することが、ご令息の良心に背くとでもお考えでしょうか。」
「いや、必ずしもそうだとは考えていません。しかし、こう申しては何ですが、今度の問題につきましては、せがれは、最初からあくまでも良心的に動いているように思えますし、その点では、親の私でさえ頭がさがるような気がいたしますので、私は、最後まで、せがれ自身の良心に訴えて行動させたいと思っているのです。むろん、まだ中学生のことで、いろいろ小さな点で思慮の足りないところもありましょう。事実、本人もあとで後悔したりしたこともあるようです。しかし根本の筋道さえ誤っていなければ、小さな過ちは却って反省の機会になっていいことだと思いますので、あまり立ち入ったことは言わない方針です。」
課長は校長と顔を見合わせた。うしろにいた警察と憲兵隊
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