なりましては、事は極めて重大でありまして、時節がら、むろん学校だけでは処置が出来なくなりますし、或いは思わぬ犠牲者を生徒の中から多数出すような結果にならないとも限らないのであります。さきほどの校長のお言葉によりますと、皆さんは校内で何かの役割をもっている生徒の父兄であられるとのことでしたが、そういう生徒は、自然それだけ他の生徒に対する影響力も大きいわけでありますから、特に皆さんのお骨折をお願いしたいと存するのであります。もし皆さんのお骨折によりまして、一般の父兄の方々には少しも心配をおかけしないで事件が解決する、というふうにでもなりますと、まことに結構であります。県といたしましては、実は、内々そういうことを皆さんにご期待申上げて、お集まりを願ったようなわけでありますから、どうかそのおつもりで、ご懇談をお願いいたしたいと存じます。」
 父兄の中からは、しばらく誰も発言するものがなかった。「他の生徒に対する影響力」という課長の言葉は、いい意味にも悪い意味にもとれ、自分の子供の成績がさほどでもないのを知っている父兄にとっては、それがいよいよ不安の種になるのだった。
「平尾さん、いかがでしょう
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