らしい。
 知事や校長をはじめ、諸先生や生徒たちのこともちょいちょい話題に上った。馬田の噂が出たのはむろんである。次郎は、自分から馬田のことを言い出すのを控えていたが、徹太郎が「馬田ってどんな人物だい。」とたずねたのをきっかけに、思いきり彼をこきおろした。そして最後にとくべつ力をこめて言った。
「最も軽率なストライキの主張者は馬田です。朝倉先生を慕う気持なんか微塵《みじん》もないくせに、はじめっからわいわい騒ぎまわっているんですが、それはストライキをやるのが面白いからなんです。こないだの委員会の時も、あいつが真先になってストライキを主張していました。僕の第一の敵は、だから、あいつです。あいつさえたたきつければ、ストライキは食いとめられるんです。」
 すると、徹太郎は言った。
「そうだと、君はなおさら道江さんの用心棒みたいになるのを避けた方がいいね。万一にも、君の馬田に対する気持の中に、ストライキ問題と道江さんの問題とがからみあっているとすると、それは君自身の人間としての値うちに関することだし、うっかり出来ないことだよ。とにかく馬田と同じレベルに立っての勝負はよしたがいいね。」
 次郎は
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