たし。」
道江はただしょげきった顔をするだけだった。次郎は舌打ちしたくなるのをこらえながら、
「僕は、道江さんが、どうせ馬田にねらわれているんだから、堂々とあたりまえの道を通る方がいいと思うね。」
「そうかしら。」
「まわり道なんかして、いたずらされたら、よけい世間にけちをつけられるよ。」
道江は答えないで敏子の顔を見た。敏子は、
「それもそうね。」
と、何度もうなずいた。そして、
「同じクラスの人が、あの村から一人でも学校に通っていれば、毎日道づれが出来るんだけれどねえ。……まさか、次郎さんに待ちあわしていただくわけにもいくまいし。……」
次郎はすこし顔をあからめた。が、すぐ思いついたように、
「僕、道づれは出来ないけど、見張りならやります。」
「見張りって、どうするの?」
「僕、馬田と同じクラスですから、毎日いっしょに帰ろうと思えば帰れるんです。」
「千ちゃんの方を見張るの? でも、橋から先はだめじゃない?」
「僕も橋を渡って様子を見ていればいいんでしょう。あれから村の入口までは見通しだから、大丈夫ですよ。」
「毎日そんなことが出来て? 千ちゃん、きっと変に思うでしょう。」
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