れてお考えになるの? 坊ちゃんらしくもない。」
「ひねくれているんじゃないよ。」
「だって――」
と、お浜は、もう泣き声だった。
「乳母や、……乳母や……」
と、次郎は、お浜のからだをゆすぶりながら、
「僕は、ちっともひねくれてなんか、言ってるんじゃないよ、ほんとうにそうだよ。」
「じゃあ、ど……どうして、あんな意地悪なことおっしゃるの?」
「意地悪じゃないよ。だって、乳母やの考えてることと、僕の考えてることとが、まるでちがってるんだから、しようがないよ。」
「じゃあ、どうちがっていますの?」
「乳母やは、僕がみんなに負ける、だから偉くないって、そう思ってるんだろう。」
「ほれ、また。」
「わかんないなあ、乳母やは。」
「わからないのは坊ちゃんですよ。」
次郎は笑い出した。お浜も、つい、つりこまれて淋しく笑った。次郎は、しかし、すぐまじめになって、
「乳母や、負けるって、どんなこと?」
「負けるって、負けることですよ。」
次郎はまた笑った。すると、今度はお浜がたずねた。
「じゃあ、坊ちゃんは、どうお考えなの?」
「僕はね、乳母やが勝ちだって考えていることが負けるってことで、負け
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