、その大きな眼玉からは、人を射るような鋭い光が流れており、しかも、その中に、どこか人の心をひきつけるようなやさしさが漂っていた。
次郎は、校長が壇に立った瞬間から、何かしら、気強い感じがした。
「私が本校の校長、大垣洋輔じゃ。」
校長はまずそう言って口を切った。訓辞は、そう永くなかった。
「君らは日本の少年の中の選士である。選士に何よりも大切なのは、へりくだる心と慈悲心でなければならない。そういう心をもった人だけが、ほんとうに正しい努力をする。正しい努力をする人だけが、ほんとうに伸びる。伸びる人であってこそ真の選士といえるのだ。……傲慢な人や、無慈悲な人には正しい努力がない。そういう人は一見強そうに見えて弱いものだ。それは生命の伸びる力がとまっているからだ。君らは決してそんな人間になってはならない。学問においても心の修養においても、伸びて伸びやまない人間になってもらいたい。それでこそ日本が伸びるのだ。へりくだる心、慈悲心、そして伸びる日本。――諸君を迎える私の第一の言葉はこれである。」
だいたいそういった意味のことであった。それでも、二三の実例をあげてわかりやすく話したので、十四
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