で何かかたことと音を立てていた。そしてお芳は、おくれて起きてきた俊三のために、台所でお給仕をしてやっていた。
そこへ、だしぬけに、家の中の空気にそぐわない、はればれとした声で、
「お早う!」
と挨拶をして、黒のつめ襟の服を着た人がはいって来た。大巻徹太郎だった。
「やあ、お早う。さあどうぞ。」
と、俊亮は坐ったままで彼に挨拶をかえし、長火鉢の向こうに敷いてあった座蒲団をうらがえしにした。徹太郎はその上に無遠慮《ぶえんりょ》にあぐらをかきながら、
「ゆうべは宿直で、今帰るところです。」
「そう。それはお疲れでしょう。……ご飯は。」
「学校ですまして来ました。……ところで次郎君は来ていませんかね。」
「来ていますよ。」
「じゃあ、今日は、今から私のうちにつれて行きたいと思いますが、どうでしょう。恭一君も俊三君もいっしょに。」
「それは、よろこぶでしょう。……おい、次郎……恭一。」
俊亮が呼ぶと、二人はすぐ座敷の方から出て来た。
「やあ、次郎君、やっぱり来ていたんだね。どうだい、きょうは三人そろって叔父さんについて来ないか。お祖父さんもお祖母さんも待ってるぜ。」
次郎は突っ立ったま
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