けたような草の根が、真っ白に光って見え出した。
 次郎は、大事なものを壊されるような気がして、いらいらしながら、それを見ていたが、
「馬鹿! みんなでやるんなら、動くの、当りまえだい。」
 と、いきなり彼らを呶鳴りつけた。
「なあんだい、一人でやるんかい。」
 みんなは手を放した。
「当り前だい。僕だって一人でやってみたんだい。」
「何くそっ。」
 最初に石に手をかけた仲間が、また一人でゆすぶり始めた。が、一人ではどうしても動かなかった。
「よせやい。動くもんかい。」
 次郎はそう言って雑嚢を肩にかけると、さっさと一人で帰りかけた。
「馬鹿にしてらあ。」
 仲間達は、不平そうな顔をして、しばらくそこに立っていたが、次郎がふり向いても見ないので、彼らも仕方なしに、ぞろぞろと動き出した。
 だが、土台石も、夏が近まるとすっかり取り払われて、敷地は間もなく水田に変った。そして今では、どこいらに校舎があったのかさえ、見当がつかなくなってしまっている。
 お鶴からの年賀状だけは、その後も大事に雑嚢の中にしまいこまれていたが、手垢がついたりするにつれて、それも次第に次郎の興味を惹《ひ》かなくなり、
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