仲間の一人が、次郎の顔を見ると、大ぎょうに叫んだ。
「恭ちゃんが、いじめられているようっ。」
次郎は別に驚いた様子もなく答えた。
「放っとけよ。つまんない。」
彼は、恭一がおりおり友達にいじめられるのを知っていた。それを彼は別に気味がいいとも思わなかったし、かといって、同情もしていなかった。つまらない、というのが、実際、彼のありのままの気持だった。
「でも、橋の上だよ、危いぜ。」
「恭ちゃんはすぐ泣くんだから、危いことなんかあるもんか。」
彼は、持っていた棒切れを墓石の上にのせ、射撃をする真似をしながら、そう言って取りあわなかった。
「でも行ってみよう。面白いや。」
戦争ごっこの仲間の一人が言った。二三人がすぐそれに賛成した。
「誰だい、いじめているのは。」
次郎は、相変らず射撃の真似をしながら、落ちついて訊ねた。
「二人だよ?」
「二人?」
次郎は射撃の真似をやめて、ふり向いた。
「そうだい、だから恭ちゃん、かわいそうだい。」
「おい、みんな行こう。」
次郎は何と思ったか、今度は自分から、みんなの先頭に立って走り出した。
村はずれから学校に通ずる道路の中程に、土橋がか
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