きへは、遠慮をせねばならぬ、まして、下々のものが、娘をやり、婿をとり、自分達はしふとしふとめとなつて、圓滿に行くには、餘程遠慮をせねばならぬ、これがつらいことで、わけて、女子の兩親は、辛抱の上に、辛抱をせねばならぬことゝ思ふ。
(五)[#「(五)」は縦中横]とにかく女子もつ兩親は、心配なものと見えて、古代印度の文學に、これを歌ふた詩は、澤山ある、其の一を擧ぐれば左のごときものである。
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〔ja_teti kanya_ mahati_ha cinta_ kasma_i pradeyeti maha_n vitarkah[#hは下ドット付き]〕 |
〔datta_ sukham[#mは下ドット付き] prapsyati va_ na veti kanya_pitrtvam[#rは下ドット付き。mは下ドット付き] khalu na_ma kastam[#stはともに下ドット付き].〕||
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女子は生れたりとさへ云へば、この世にて何人に嫁入らすべきかと云ふ心配は大なり、嫁したるのちも幸福を得るか否やにつきても心配は大なり、女子をもつ親の境遇は實に
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