らさう」といふ不逞な凄味をそつくりそのまゝ人間化し戯画化し、我々の涙ぐましい友達の一人として誕生させてくれた人にニコライ・ゴーゴリあるのみ。その「外套」は幽霊の持つ本質的な戦慄を始めて民衆の味方にかへた。読者は「外套」の幽霊と肩を抱きあつて慰めあひ、憂さ晴らしに腕を組んで居酒屋へ行きたくなる。幽霊を人間の味方にし親友としたゴーゴリは、幽霊に誰より怯えた臆病者でもあつたのであらう。
底本:「坂口安吾全集 02」筑摩書房
1999(平成11)年4月20日初版第1刷発行
底本の親本:「新潟新聞」
1936(昭和36)年11月27日
初出:「新潟新聞」
1936(昭和36)年11月27日
入力:tatsuki
校正:今井忠夫
2005年12月10日作成
青空文庫作成ファイル:
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