に敵の策を見破ることができませんでした。そして敵が隠し場所を変えたものと真にうけて、手紙の束は石の下にありと思いこんだのです。とても巨石をうごかすことはできないから、石の横から下へと土を掘って目的物に達しうると考えました。巨石の下のしめった土の中へ手紙を隠しておくと紙が傷んで物の役に立たなくなるという不都合な結果が目に見えているから、直ちに発掘にとりかかるのは当然の行動でしたろう。しかし、道具なしに堅い庭土を手で掘るのだから大仕事で、先をあせって無我夢中でやってるところを忍び寄った二人が殺してしまう。そして、屍体をどこかに隠す。たぶん庭のどこかに穴をほって埋めたのでしょう。本日の取調べで夕刻ぐらいまでにその場所は判明するだろうと思いますが、お気の毒ながら兄さんの生きている見込みはありません。あなたのタンスから手紙の束を盗んだのは久五郎さん。見かけによらぬ鋭いカンで、あなたにとってその品物が重要な何かであるのを見破っていたから、あなた方があの日一方的な有勢裡に彼の品物を分捕った腹イセに、一番大切らしいその一品を盗んでやろうと思ったのでしょう。皆さんの隙を見てそれを盗みに奥へ行った。すると
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