なそうに、
「ナニ。今日は死なないね。あんたのコクリサマが、まちがっただけさ」
 木々彦は訝しそうに英信を睨みつけたが、すでに精根つきたらしく、
「ア、ア。つかれた! 全力をだしつくしたようだ。しばらく、どこかで、静かに休ませてもらおう。血の流れが滝のように落ちて行くような気がするよ」
 とフラフラ立上って、よろめくように別室へ去ってしまった。英信は分解されたコクリサマの道具を附合わしたり解いたりしていたが、
「こんな道具を用いて神様をおよびしてお告げが伺えるなら、私なんぞ師について苦しい勉強をすることはありませんね。筆を台紙の上へ逆さに立ててガタガタゆすぶれば、なにか字らしいものが現れるのは当然だ」
 すると一枝が抗議して、
「そうじゃないと思うわ。たしかにテーブルが自然にうごいたと思うわ」
 英信は、なんだ、バカな、という顔で答えなかった。すると、いかにもフシギそうに、一枝に同意を表したのは光子であった。
「私も一枝さまの仰有るように思うのよ。テーブルのゆれるように私の手もゆれていたし、私の手のゆれるようにテーブルもゆれていたように思えるのよ。テーブルのゆれるのも止るのも、いつも自
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