います」
なるほど、指摘されたところにハッキリ血がついている。
「なるほど分りました。だが、皆さんが、そうガヤガヤつめて睨まえていらッしゃると、芳男も返答がしにくいでしょうから、一人二人の方を残して、あとの方はちょッと退席して下さい。二三、芳男にきいてみたいことがありますから」
そこで、二名の重立った人をのこして、一同は退席する。新十郎は芳男を側ちかく坐らせて、
「いいかえ。お前の昨夜したことを若干私からきかせてあげよう。お前とお槙は藤兵衛に土蔵へよびつけられて、二人の不義の事実をきめつけられたね。お槙がイエそんなことは嘘でございます、私をおとし入れようとする誰かが云いふらしたことでございます、と申したてたが、藤兵衛はその言葉には相手にならない。お前たちが一しょにねて、これこれのことをしたり語ったりしているのをきいているぞ、ときめつけられて、お槙はともかくお前は一言もなかったはずだ。特に藤兵衛はお前に向っては、アヤが病身のことであるから、ゆくゆくお前を後とりにしようと思っていたほどだが、とんだ不心得な奴、身からでた錆だと云ったろう。そこでお槙には三行り半を、お前には叔父甥の縁を切っ
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