は一目でわかるものだ。するてえと、推理はそうなる。いつもながら、新十郎は見事な手際だ。虚無僧は二人いなきゃアならないということ、小柄は尺八に仕込んでおいたこと、これはオレがチャンと見ていたことだ」
 虎之介は改めて海舟のおそるべき心眼にただもう感服、ことごとく謹聴してわが心眼の曇りを浄めているのであった。



底本:「坂口安吾全集 10」筑摩書房
   1998(平成10)年11月20日初版第1刷発行
底本の親本:「小説新潮 第四巻第一一号」
   1950(昭和25)年10月1日発行
初出:「小説新潮 第四巻第一一号」
   1950(昭和25)年10月1日発行
入力:tatsuki
校正:松永正敏
2006年4月6日作成
青空文庫作成ファイル:
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