機だのレールのようなものがあり、右も左もコンクリートで頭上の遥か高い所にも、倉庫からつづいてくる高架レールのようなものが飛び出し、ここにも一切の美的考慮というものがなく、ただ必要に応じた設備だけで一つの建築が成立っている。町家の中でこれを見ると、魁偉《かいい》であり、異観であったが、然し、頭抜《ずぬ》けて美しいことが分るのだった。
聖路加病院の堂々たる大建築。それに較べれば余り小さく、貧困な構えであったが、それにも拘らず、この工場の緊密な質量感に較べれば、聖路加病院は子供達の細工のようなたあいもない物であった。この工場は僕の胸に食い入り、遥か郷愁につづいて行く大らかな美しさがあった。
小菅刑務所とドライアイスの工場。この二つの関聯に就て、僕はふと思うことがあったけれども、そのどちらにも、僕の郷愁をゆりうごかす逞しい美感があるという以外には、強いて考えてみたことがなかった。法隆寺だの平等院の美しさとは全然違う。しかも、法隆寺だの平等院は、古代とか歴史というものを念頭に入れ、一応、何か納得しなければならぬような美しさである。直接心に突当り、はらわたに食込んでくるものではない。どこかしら
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