たら、大鹿はキットですね」
「まア、二人のウンを先にきかせてくれ」
「よろしい。三日あとに吉報もってきます」
 煙山はただちに再び西下した。
 国府と桃山に当ってみると、百万円ならOKだという。煙山はよろこんだ。三日のうちに金をそろえてくるから、ほかの契約は断ってくれと念を押して、安心して、大鹿を訪ねた。
「ヤア、どうも返事がおくれて失礼した。実はコレコレで、国府と桃山の参加を条件に、その時は君にも三百万出そうと云う。どうやら国府と桃山には成功したから、よろこんでくれ。すぐ取って返して、三百万そろえてくるから」
「そうですか。実はちょッと、間の悪いことができたんです」
「どんなことが」
「実は岩矢天狗に二十日に三百万払うという約束をむすんだのです。二十日がせまっているのに、煙山さんから返事はこず、せっぱつまった気持のところへ、昨日、上野光子とレンラクがついたものですから、専売新聞か桜映画へたのんでくれ、どんな不利な条件でも、三百万になればいい、とたのんだのです」
「それは、まずいな。上野光子の返事は?」
「十九日の正午に料理屋で会うことになっています。きっと、成功してみせる、と云いきっ
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