ことがなかったのだが、文藝春秋の連中と見物したら、先ず田川君が買ってきてくれて、たべてみると、うまい。池島信平は、もっぱらスマックを食い、合いの手に野球を見ていたようであるが、実際これが、後楽園球場のカケネなしの実質ある商品ではなかろうかと僕は思った。然し、ともかく、精神病院の生活よりはマシであったことは確かであるから、二週間の野球見物を仇《あだ》オロソカに思っているわけではないのである。
申し忘れたが、ランナーが走るたびに、シャッポが脱げて後へとぶのは見ていて苦しいものである。イキなアゴヒモでもつけたら、キリリと、一段と男振りもあがるであろう。
底本:「坂口安吾全集 07」筑摩書房
1998(平成10)年8月20日初版第1刷発行
底本の親本:「文学界 第一巻第四号」
1949(昭和24)年6月1日発行
初出:「文学界 第一巻第四号」
1949(昭和24)年6月1日発行
入力:tatsuki
校正:砂場清隆
2008年4月15日作成
青空文庫作成ファイル:
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