は、伊丹の生一本を飲まずんばあるべからずと脱出を試みたが、軍用飛行場で外へ出してもらえなかった。さッさと機上へ押し上げられ有無を言わさず連れ戻されてしまった。
往路は見物がてら諸方ゆっくり回って二時間半。復路はまッすぐ一時間十三分。下田上空をすぎて下降、一直線に羽田へ滑りこむ。着陸のバウンド皆無。あざやかな手並。しかし降下中に皆々また苦しむ。直前に機上で食事したからだ。結論として、東京見物の低空飛行と機上の食事を慎めば(スカアチは別也)空の旅は便利で愉快なものといえよう。
底本:「坂口安吾全集 11」筑摩書房
1998(平成10)年12月20日初版第1刷発行
底本の親本:「読売新聞 第二六五九六号」
1951(昭和26)年1月3日
初出:「読売新聞 第二六五九六号」
1951(昭和26)年1月3日
入力:tatsuki
校正:noriko saito
2009年3月16日作成
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