三流の独創性の何もない歴史家の本を漁らなければならないのだ。
このことは小説に就ても同じことで、私はすぐれた作品を読むと、それに師事したり、没入して読むといふことができず、敵意をいだき、模倣を怖れて、投げすて、目をとぢてしまふのだつた。すくなくとも、それに類した傾向を如何ともすることができない。之は私の性分で、愚な性分であるけれども、今は之を守り通すことによつて、その愚かさを完成する以外に仕方がなからうと思ふ。
底本:「坂口安吾全集 04」筑摩書房
1998(平成10)年5月22日初版第1刷発行
底本の親本:「早稲田文学 第一三巻第二号」
1946(昭和21)年3月1日発行
初出:「早稲田文学 第一三巻第二号」
1946(昭和21)年3月1日発行
入力:tatsuki
校正:宮元淳一
2006年5月5日作成
青空文庫作成ファイル:
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