巷談師
坂口安吾
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)匁《もんめ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)一|匁《もんめ》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地から2字上げ]一共産党員」
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「ヘタな小説が売れなくなって巷談師になったのか。お前の底は見えた。恥を知れ。
[#地から2字上げ]一共産党員」
安吾巷談その三「野坂中尉と中西伍長」には全国の共産党員から夥しい反響があった。これも、その一つである。簡にして要を得、秀作である。
「お前の顔は……」このあとは、本人は書きたくない。私の顔に文句をつけるのは筋ちがいだが、「林芙美子との対談の愚劣さよ。両醜無断……」林さんにはお気の毒だが、こういうのもきた。両醜は簡潔。よく醜の字を知っている。あとの「無断」がわからない。しかし、一刀両断とか、言語道断とか、それに似てバッサリと斬り伏せる趣きは充分現れているから、文を学べば、一かどの文士になった人物かも知れない。
共産党の手紙は、非常に短いか(ハガキで三行前後)非常に長いか(便箋十枚――二十枚ぐらい)いずれかで
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