地中の一点に埋めてもよろしい。秘中の秘。アッハッハア」
 サルトルの哄笑は満堂を圧するものがあった。光秀も半平もさすがに声をのんでいる。すると天草次郎が小さな身体をグイとねじって、カミソリのような声をあびせた。
「箱根くんだりへ一山の金をつんで御足労な。アヘンがあるなら、持ってこい。買ってやるから。一山でも、一包みでも、持ってきたら、買ってやらア。才蔵め、ドジな取引に首を突っこみやがる。もう一っぺん、箱根へ戻れ」
「まアさ。そう云うもんじゃないですよ。じゃア、ちょッと、サルトルさん。あなた別室で待ってらッしゃい。社長は短気だからね。気持をなだめて、あなたの顔も立つように話してあげるからね」
 と、半平がとりなして、サルトルを別室へひきとらせた。

   その十 美女のスパイが恋の虜となること

「ともかく雲さんの話をきこうじゃありませんか。アハハ。雲さんときやがら。箱根の雲さん」
「やい。よせやい」
「怒るなよ。酒手をだすから。ともかく、雲さんの話をきいて、考えてみましょうよ。敵の話がホントなら耳よりの取引だからね。雲さんは彼氏が信用できるかい」
「そんなこと知らねえや。ホントなら耳よ
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