に埋められたという噂があるのはホントでさア。終戦後一年二年のあいだ、むかし工場にいたらしい人物が時々人目を忍んで捜査にきて、みんな手ブラで帰ったと女中なんかも噂しているからさ。噂だけはあるんだよ。だから実物を見せてもらえば分るだろう」
「なぜキミ見せてもらわなかったの」
「人が見たら蛙になれ。タダで見るわけには参りません」
サルトルは落ちつきはらって半平を制した。
「取りひきのギリギリ最後の時まで秘密の場所はあかされません。おわかりでしょうな。取引高が拝観料というワケですよ。ほかに論議の余地はない」
ニコヤカにして決然。リンリンと威力がこもっている。言われてみればその通り。ウカツに見せられぬ道理である。
「フウム、事実としてみれば、これはいさゝかスリルある取引きではあるね」
と半平は腕をくんで、ニヤニヤとサルトルを見つめた。常にニコヤカであること、サルトルに劣る半平ではなかった。
「これは、いさゝか、犯罪的、ギャング的ですね。リンドバーグの子供をさらって、ひきかえにお金をもってらッしゃいと言うでしょう。それと似ていますね」
「そうなりますかなア」
「そうなるんですよ。アハハ。あな
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