は、オマケの余興があるのだよ。正宗菊松をオトリに、マニ教をたぶらかす手がある。お金をほしがる亡者ほど、お金をせしめ易いものだな。これが金の報いだな」
「石川長範はウスノロかも知れないが、天草次郎は一筋縄じゃいかねえや」
「ハハハア」
サルトルはアゴをなでて笑っている。
雲隠才蔵も考えた。たしかにサルトルはたゞ者ではない。天草次郎は冷血ムザン、腹にすえかねた仕打ちをうけたのは今度に限ったことではない。ムホン気は充分そだっているけれども、敵は名だたる今様妖術使いで、残念ながら歯が立たない。つらつら打ち見たところ、サルトルは胆略そなわり、慈愛もあり、底の知れないところがある。おまけにウスノロのところもあるから、利用するだけ利用して、まんまとせしめてやるのも面白かろう。だましてやるには手ごろの勇み肌のニューフェースなのである。才蔵はこう肚をきめて、
「じゃア、それで、いってみようじゃないか。オレは退屈しているんだ」
「明日、むかえにくるぜ」
サルトルは一万円の札束を無造作につかみだして握らせて、
「悪い病気をもらうなよ」
と、ニコヤカに行ってしまった。
翌朝、才蔵をむかえにきて長範の
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