レのやり方は万事そうだ。一言ピタリ。それだけだぞ。オレがかほどの安値で売りを急ぐのは、ワケがあるからじゃ、そこを見て、これをチャンスと知るのは利巧者。オヌシらが材木を知り、正しい商道を知っとるなら、この驚くべきチャンスがわかるはずだぞ」
作業場へつく。そこから現場の技術家が同乗して、山々を一周し、時々車を降りてこまかく説明する。作業場から下の鉄道駅まで立派な道路をきりひらいて、砂利もしき、ヌカルミにならないように充分手も加えてあるが、今やトロッコも敷設中で、八割まで出来あがっている。
「どうだ。オレの材木が安値のわけが分ったろう。このトロッコが出来あがると、今までの苦労が報われるのだ。これまでの苦闘はなみたいていではなかったぞ。男はそれを言わんものだ。ハッハ。石川組のあるところ、作業は常に活気横溢しとる」
この親分、アストラカンをかぶっている。胸をそらしてキゲンよく葉巻をくゆらす。金の握りのステッキで地面をコツコツつく。
天草次郎は時々時計を見ている。それにつりこまれるように織田光秀も腕時計をのぞく。どうやら半平まで腕の時計を気にしているようだ。
「オヌシの返事をきこうじゃないか
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