場所へ送りとゞけてやるぞ。どうだ。男児の生きがいを覚えるだろう。これだけの木材を扱って、バッタバッタと売りさばく快感を考えてみい。天草商事も男になるぞ」
 作業場へ戻ってくると、今しも材木をつんで出ようとするトラックがある。長範社長は大手をふって呼びとめた。
「オイ、待った。二人のせてやってくれ。雲隠はこれに乗って東京へ戻れ。今明日中に社長をつれてくる。手金は二割五分の七百五十万でよろしい。商談成立のあかつきは、オレが正宗を助けてやる。タダでサービスしてやる。社長が製材所の倅《せがれ》なら木材のことは知っとるだろうが、これほど格安な取引きはないぞ。社長が来たら、山をこまかに案内してやる」
 否応なし。助手台へ押しこまれてしまった。サルトルも助手台へのりこんで、
「じゃア行って来やす」
 と、走りだした。
「人をよびつけて頼みもしない材木を売りつけようッてのは、邪推するねえ。サルトルさん。そうじゃないか」
 才蔵は中ッ腹であるが、サルトルは常にニコヤカに笑って、悠々、まことに無口。才蔵が話しかけなければ、全然喋らない。
「商売はそんなものさ。売りがあせる時は買い手のチャンスだよ。こういう
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